赤旗名人戦 飛騨地区大会 決勝プレイオフ観戦記&対局記

将棋

本日は、先日開催された「赤旗名人戦 飛騨地区大会」で優勝者が同率となったため、その決着をつける決勝プレイオフが行われました。

今回のルールは持ち時間25分・切れ負け(9:15開始)。 対局の手筈は以下の通りです。

  1. 第1局: 森下真之助君 vs 相田蒼太君
  2. 決勝戦: 第1局の勝者 vs 私

第1局:小学生対決(相田蒼太君 vs 森下真之助君)

初戦は小学生同士のフレッシュな対決となりました。私は観戦に回ることに。

先手の蒼太君に対し、後手の真之助君は序盤から角交換を挑む積極的な相居飛車の駒組みへ。始まって間もない居玉のまま先手の右の桂馬が銀取りに跳ねるなど、超急戦模様の展開となりました。

途中までは白熱した攻防が続き、蒼太君の攻めを真之助君が受けに回る展開が続きます。しかし、蒼太君の攻めが一段落したタイミングを見計らい、画像の局面から数手が進み、その後☖8三角、続けて☖6四桂と急所に連打する手順が回り、真之助君の強烈な攻めが炸裂。あっという間に寄せ切られてしまいました。

【対局の振り返り】

この大熱戦だった二人の対局をもっと詳しく振り返って見たいと思います。下図は先手の☗7五歩に後手が☖2二桂と飛車取りに打った局面です。これを基本図とします。以下に初手から基本図迄の手順を示します。

☗2六歩☖3四歩☗7六歩☖8八角成☗同銀☖2二銀☗2五歩☖3三銀☗7七銀☖6二銀☗7八金☖3二金☗4八銀☖6四歩☗1六歩☖1四歩☗3六歩☖7四歩☗4六歩☖6三銀☗3七桂☖7三桂☗4五桂☖4四銀☗2四歩☖同歩☗同飛☖2三歩☗3四飛☖4五銀☗同歩☖3三桂☗6六角☖4二玉☗7五歩☖2二桂

この後飛車取りに構わず☗7四歩と取り込みます。ここで後手は☖7二金と指します。この手が中々腰の据わった手です。この手の善悪はともかく、真之介君の受けにも磨きがかかったと感じました。この後☗7三歩成☖同金☗8五桂☖7四金☗9三桂成☖同香☗同角成と下図の様に進みましたが、この瞬間に先手は勝利の女神から見放されてしまいました。

実は☖7二金と上がった局面に最大のチャンスがありました。最強ソフトの【水匠5】に最善手を探させたら、下図の様に☗5一銀と打つ手がありました。これにて先手勝ちの様です。なるほど指されてみれば取る一手で、☗3三角成りとすれば強烈な攻めが決まっています。

その後、☗5一銀☖同玉☗3三角成り☖4二銀☗3二馬☖3四桂☗7三歩成り☖同金☗4一金と下図の様な進展が予想されますが、先手が勝勢の様です。ちなみに☗3三角成りに、合い駒をせずに玉が☖6二等へ逃げた場合には、☗5一馬☖同玉☗3二飛成りとします。要するに、蒼太君がこの手に気付くか否かにかかっているのですね。もし気付いていれば、もっと接戦になっていたでしょう。実に惜しかった。

下図は最終盤の☖4六桂までの局面です。真之介君の☖2七角と☖4六桂のコンビネーションが見事ですね。この後は綺麗に寄せ切りました。

【観戦の感想】

  • 森下真之助君 特に受けの強さに驚かされました。前回の対局でも感じましたが、攻守のバランスが取れた非常に良い将棋になっています。現時点では一歩リードしている印象です。
  • 相田蒼太君 攻め自体は非常に鋭いものを持っていますが、一気に寄せ切るパンチ力が課題と感じました。途中、攻めの主軸であるはずの角があらぬ方向(1筋)に向いてしまい、そこから一気に形成が悪化。形成判断の甘さが出ましたが、こうした経験を糧にしてさらに強くなっていくはずです。

身近に切磋琢磨できる良きライバルがいるのは、二人にとって大きな励みになりますね。

決勝戦:私 vs 森下真之助君

第1局を制した真之助君と、私の間で決勝戦を迎えることになりました。 当日は将棋教室のお世話役である平野さんもお越しくださり、決勝戦の棋譜を取っていただけることに。感謝いたします。

さて、結末から言ってしまうと、実にあっけない幕切れとなりました。

私が得意としている石田流からスタート。真之助君の猛攻を掻い潜り、なんとかカウンターパンチを繰り出して途中からは優勢に立ちました。

しかし、終盤の土壇場で落とし穴が……。

チェスクロックの針が落ち、時間切れ負けとなってしまいました。

悔しさというよりは、「情けない負け方をしてしまった」という思いです。ただ、将棋ウォーズなどをやっていると時間切れはよくあることなので、個人的にはもう慣れっこではあります。

ありがたいことに「切れ負けルール」の大会参加は今回が初めてだったので、同じ轍を踏まないための良い勉強になりました。今後の糧にしたいと思います。

なお、真之助君は風邪気味だったようで、万全の状態ではなかった様子。次回からは彼を「良きライバル」と見定め、全力の真剣勝負で挑みます。地元・飛騨地区にこうした強豪が現れてくれるのは、私にとっても非常に嬉しいことです。

対局を終えて

終局後は平野さんも交えて、和やかに感想戦を行いました。 「ここでAIの示す手はこうだ」「いや、あっちだ」と議論を交わし、負けはしたものの、実に楽しい時間を過ごせました。今大会に参加できて本当に良かったです。

代表となった真之助君には、ぜひ県大会でも大いに暴れてきてほしいと心から応援しています。

最後に、会場準備や大会運営に尽力してくださった赤旗運営スタッフの皆様、本当にありがとうございました!

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