将棋界における2大革命 【ネット対局の普及】【将棋ソフトとの対局】

将棋界における2つの大きな変換期

私が一番将棋にのめり込んでいたのは、20歳から35歳ぐらいまで、つまり1975年から1990年にかけてのことでした。当時の私は、将棋を指すとなると、まず将棋道場に行き、入場料を払い、席主に対戦相手を指名され、おもむろに駒を並べてから指すのが普通でした。友人同士で指すこともありましたが、それは稀な例です。

しかし、その後、大きな変換期が到来しました。それは【ネット対局の普及】と【将棋ソフトとの対局】です。

ネット対局の普及

1.始まり
ネット対局が可能になったのは1990年代後半から2000年代初頭のことです。特に、2000年代に入ってからインターネット環境の普及とともに、様々なオンライン将棋サイトが登場しました。代表的なものとして、2001年にサービス開始した「将棋倶楽部24」が挙げられます。

2.影響

  • アクセス性の向上: 地理的な制約がなくなり、全国の将棋愛好者が対局できるようになりました。地方に住んでいる人や忙しい社会人でも、気軽に強豪と対局できる環境が整いました。
  • 実力向上: 多くの対局を短時間でこなすことができるため、実力向上のスピードが格段に上がりました。特に、若手のアマチュア棋士の育成に大きく寄与しました。
  • コミュニティの形成: オンライン上での交流が増え、将棋ファン同士のネットワークが広がりました。掲示板やSNSを通じて情報交換や意見交換が活発に行われるようになりました。

将棋ソフトとの対局

1.始まり
将棋ソフトとの対局が本格的に普及したのは2000年代中盤からです。2005年に「Bonanza」などの強力な将棋ソフトが登場し、その後、2010年代にはAI技術の進展により更に強力なソフトが開発されました。2013年には「Ponanza」がプロ棋士に勝利したことで大きな話題となりました。

2.影響

  • 学習ツールとしての利用: 将棋ソフトを使って自分の対局を分析し、弱点を克服するための学習ツールとして広く利用されるようになりました。特に定跡や終盤の勉強において、非常に有効な手段となっています。
  • 戦術の多様化: 将棋ソフトが新しい戦術や手法を提供することで、アマチュア棋士の間でも多様な戦い方が広まりました。プロ棋士の対局を見て学ぶだけでなく、ソフトからも直接学ぶことができるようになりました。
  • 競技レベルの向上: 強力なソフトとの対局を繰り返すことで、アマチュア棋士の競技レベルが飛躍的に向上しました。これにより、アマチュア大会のレベルが全体的に上がり、競争が激化しています。

この2つの要素は、アマチュアに限らずプロにとっても将棋界の革命だと思います。「ネット対局の普及」では家にいながら将棋を楽しむことができ、これが大きいですね。将棋人口の拡大にも繋がります。「将棋ソフトとの対局」では、アマ・プロ問わずマンツーマンレッスンが受けられる極上の家庭教師だと思います。将棋ソフトを如何にうまく活用するかが上達のキーポイントになっています。

その他の変換期

これらの2大巨塔の他にも、アマチュア将棋界における大きな変換期として考えられる要素をいくつか挙げます。

  1. 将棋の普及活動と教育プログラムの充実

背景
多くの学校が将棋をクラブ活動や課外活動の一環として取り入れ、子供たちに将棋を教える機会が増えました。また、将棋連盟や地方自治体の普及活動も活発に行われています。

影響
若い世代を中心に将棋人口が増加し、将棋が幅広い世代に普及しました。将棋文化が教育の一環として取り入れられることで、将棋の価値が認識されるようになりました。

  1. 将棋のデジタル化とオンラインリソースの拡充

背景
将棋に関する書籍や雑誌の電子書籍化、YouTubeやブログなどのオンラインリソースが増加しました。また、将棋アプリが高度化し、戦略解析やAI対局、オンライン対戦が可能となりました。

影響
高品質なデジタルリソースを利用することで、将棋の学習が効率的に行えるようになりました。いつでもどこでも将棋の情報や対局を楽しめるようになり、将棋の普及が進みました。

  1. プロ棋士の活動範囲の拡大

背景
プロ棋士がテレビ番組やYouTubeチャンネルを持つようになり、一般の人々にも将棋が身近に感じられるようになりました。また、プロ棋士による指導対局やセミナーが増え、アマチュア棋士が直接プロの指導を受けられる機会が増加しました。

影響
プロ棋士から直接指導を受けることで、アマチュア棋士の実力が向上しました。プロ棋士の活動が広がることで、将棋ファンが増え、将棋界全体が活性化しました。

  1. 将棋の国際化

背景
日本将棋連盟やボランティア団体が海外での将棋普及活動を積極的に行いました。また、海外でも将棋の大会が開催され、国際的な交流が進みました。

影響
将棋を楽しむ外国人プレイヤーが増加し、国際的な将棋コミュニティが形成されました。将棋を通じた異文化交流が進み、将棋が国際的な文化として認識されるようになりました。

まとめ

これらの変換期は、アマチュア将棋界において将棋の普及、技術の向上、コミュニティの拡大などに大きな影響を与えました。身近な例でいえば将棋アプリの普及がありますね。詰将棋とか手筋の勉強にも役立ちます。私も詰将棋はこれで勉強しています。
このような変換期を経て、将棋はさらに進化し、多くの人に愛され続けることでしょう。

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