将棋ソフトの進化とAI時代の幕開け
近年、将棋ソフトの進化は驚くべきものがあります。
今ではプロ棋士をも凌駕するほどの実力を備え、AIが将棋界に革命をもたらしています。
数年前、「最強の将棋ソフトとプロ棋士が対局した場合、その手合いは角落ち相当になる」と言われていました。
この話をAIに尋ねてみたところ、興味深い回答が得られました。
レーティング比較:将棋ソフトとプロ棋士の差
将棋ソフトのレーティング
- Apery:4000以上
- Elmo:4000以上
- AlphaZero:4000以上
- プロ棋士のレーティング
- 渡辺明名人:2000前後
- 藤井聡太竜王:2000前後
- 豊島将之九段:1900前後
これらの数値を見ると、将棋ソフトの強さが圧倒的に感じられます。
しかし、4000点と2000点という数字をそのまま比較するのは早計かもしれません。
なぜなら、ソフトと人間では評価基準や環境が異なるためです。

実際の対局経験
私は現在、自分のPCに「水匠5」を導入しています。
このソフトは一時期、将棋界で最強と評された存在です。
私はこの水匠5と飛車落ちで対局していますが、ほとんど勝てません。
しかし、目的は勝つことではありません。
むしろ、AIの思考を観察し、その中から終盤での手筋や判断力を学ぶことが狙いです。
こうした対局を重ねるうちに、AIがどれほど先を見据えているかを実感しました。
また、自分の指し手の癖や弱点を客観的に知る機会にもなっています。
角落ち対局から見る棋力の関係
仮に、水匠5とプロ棋士が角落ちで対局し、互角の結果になるとすれば、
飛車落ちレベルではアマチュアトップ層と良い勝負になるでしょう。
つまり、AIと互角に戦えるかどうかは、実力のバロメーターにもなります。
もし飛車落ちでソフトに勝てるようになれば、自分の棋力が相当上がった証拠です。
このように、AIとの対局は単なる練習ではなく、自己成長の指標としても役立っています。
AIによる調査結果とその感想
AIが出したレーティング結果を見て、正直驚きました。
特に、ElmoとAlphaZeroのレーティングがいずれも「4000点以上」とされた点には違和感があります。
実際、過去にAlphaZeroとElmoが100番勝負を行った際、AlphaZeroの勝率は9割を超えていました。
このことから、両者の間にはより大きな実力差があると考えるのが自然でしょう。
一方で、AIの分析は人間には見えない部分を数値化してくれる点で非常に参考になります。
AIが示す評価値の変化や、序盤からの形勢判断は学びの宝庫です。
プロ棋士のレーティングとその見方
プロ棋士のレーティングは2000前後とされていますが、
AIとの直接比較には注意が必要です。
なぜなら、プロ棋士のデータは人間同士の実戦結果に基づいているためです。
一方のAIは無数の自己対局によってチューニングされており、学習量が圧倒的に異なります。
したがって、「点数差=実力差」と単純に見るのは危険です。
それでもAIが戦術・終盤力でリードしていることは、事実として認めざるを得ません。
AIと人間の関係が変える将棋界の未来
AIの登場によって、将棋界はまさに変革期を迎えています。
今ではプロ棋士もソフトを研究に活用し、新戦法を生み出す時代です。
AIが導き出す「人間には思いつかない一手」は、
創造性の源泉としてプロの研究を刺激しています。
一方で、AIとの距離をどう保つかも課題の一つです。
しかし、AIは敵ではなく、最高のパートナーでもあります。
AIをうまく活用すれば、プロ棋士・アマチュアともにさらなる進化が期待できます。
まとめ:AIがもたらす新しい将棋観
- 将棋ソフトの実力はすでに人間を超えている
- AIとの対局は学びと成長の場になる
- プロ棋士もAIと共存しながら新しい将棋を創造している
AIの進化は止まりません。
そして将棋もまた、AIと共に次のステージへ進んでいくでしょう。
人間の感性とAIの計算力が融合した「新しい将棋」が、これからの主役になるに違いありません。


