高山赤十字病院での受診
今年の5月28日にかかりつけの高山赤十字病院の泌尿器科を受診してきました。その目的は、前回5月14日に行った前立腺針生検にて癌細胞が発見できたかの確認のためです。
前回の検査結果
4月15日に実施したMRI検査にて、PSA値が正常の場合が4.0ng/mL未満に対して、17ng/mL以上もあり、癌の疑いがあるとのことでした。そして、生検の再検査となったわけです。その結果、重度の前立腺がんとのことでした。
AIへの質問
今後のこともあるので、AIに対して疑問に感じたことを眼科(泌尿器科の次に受診)の待ち時間を利用して尋ねてみました。相変わらず回答の速さには驚かされますね。回答時間は1問に付き約1分です。流石に優秀なアシスタントであると認めざるを得ません。ただし、全部を信じることは危険で、稀に嘘をつきます。だから、全てをうのみにしないで人様のチェックが必要です。
前立腺がんのレベルについて
主治医から、がんのレベルは「4+4」であると言われたが、何のことか分からないので聞いてみた。前立腺がんの「4+4」という表現は、グリーソンスコア(Gleason score)を指しているとのこと。グリーソンスコアは、前立腺がんの組織学的な悪性度を評価するためのスコアリングシステムです。このスコアは2つのスコアを合計して決定されます(例えば、「4+4」の場合はそれぞれのスコアが4)。グリーソンスコアの範囲は2から10までで、数値が高いほど悪性度が高いことを示します。
具体的には以下の通りです:
- 2〜6:低リスク
- 7:中リスク(3+4 は低リスク寄り、4+3 は中リスク寄り)
- 8〜10:高リスク
「4+4」のグリーソンスコアは8に該当し、高リスクに分類されます。これは、がんがより攻撃的で、より早急な治療が必要である可能性が高いことを意味します。具体的な治療方針については、主治医と相談することが重要です。
骨転移の可能性と治療法
前立腺がんが骨に転移している場合、治療法は通常、全身的な治療と局所的な治療の組み合わせになります。以下に一般的な治療法を紹介します:
- ホルモン療法:前立腺がんの成長は主に男性ホルモン(アンドロゲン)によって促進されるため、ホルモン療法(アンドロゲン除去療法)が用いられます。これは、アンドロゲンの生成を抑制したり、その作用を阻害したりする薬物を使用します。
- 化学療法:化学療法は、がん細胞の成長や分裂を抑制する薬物を用います。ホルモン療法が効果を示さなくなった場合や、がんが進行している場合に使用されます。
- 放射線療法:骨に転移したがんを直接治療するために放射線を使用します。これは、痛みの緩和や、がんの進行を遅らせるために行われます。
- 骨修飾薬:骨に転移した前立腺がんによって引き起こされる骨の損傷を防ぐために、ビスフォスフォネートやデノスマブといった薬が使用されます。これらの薬は骨の強度を保ち、骨折を防ぐのに役立ちます。
- 免疫療法:免疫療法は、体の免疫系を利用してがん細胞を攻撃します。前立腺がんの治療に使われる免疫療法には、免疫チェックポイント阻害薬やがんワクチンなどがあります。
具体的な治療計画は、患者の全体的な健康状態、がんの進行具合、過去の治療歴、患者の希望などに基づいて決定されます。主治医と詳細に相談し、最適な治療方針を決定することが重要です。
手術と放射線治療の利益と不利益
前立腺がんの治療法として手術と放射線治療が勧められることが多いですが、各治療法には利点と不利益な点があります。以下にそれぞれの治療法の主な利点と不利益な点をまとめます。
手術(前立腺全摘除術)
利点:
- がんの完全な除去:手術によってがんを完全に取り除くことができるため、がんが再発するリスクが低くなります。
- 病理学的情報の取得:摘出した前立腺を詳しく調べることで、がんの進行度や広がりを正確に評価することができます。
- 若年患者に適している:比較的若く、健康な患者に適している場合が多いです。
不利益な点:
- 治療期間:通常、数週間から数ヶ月にわたり治療を続ける必要があります。
- 副作用:放射線治療による副作用として、疲労感、皮膚の変化、尿意切迫感、排便の変化などが生じることがあります。
- 二次がんのリスク:長期的には放射線によって他の部位にがんが発生するリスクがわずかにあります。
比較のまとめ
手術は、がんの完全な除去を目指し、若年で健康な患者に適していますが、手術自体のリスクや術後の合併症が伴います。
放射線治療は、非侵襲的で治療が比較的容易であり、高齢の患者や手術リスクが高い患者にも適していますが、長期にわたる治療と副作用が考慮されます。
どちらの治療法が最適かは、患者の年齢、健康状態、がんの進行度、個々のライフスタイルや価値観によって異なります。主治医と十分に相談し、自分に最適な治療法を選択することが重要です。
前立腺がんの進行について
私は以前、前立腺がんに関しては、進展速度が遅いので、敢えて治療は施さずに経過を見守る方法もあると聞いたことがある。その点はどうなのかと尋ねた。前立腺がんが進展しないことがあるというのは部分的に正しいですが、全体的には慎重な判断が必要です。前立腺がんには、進行の遅いタイプと、早く進行するタイプの両方があります。
進行の遅いタイプ
低リスクの前立腺がんは、非常にゆっくり進行することが多く、一部の患者では、他の原因で亡くなるまで進行がほとんど見られない場合もあります。このため、低リスクの前立腺がんの患者には、「積極的監視」(アクティブサーベイランス)という方針が取られることがあります。これは、定期的に検査やチェックを行い、がんが進行し始めた場合にのみ治療を開始する方法です。積極的監視では、定期的なPSA検査、MRI、前立腺生検などが含まれます。このアプローチにより、不要な治療を避け、副作用や生活の質の低下を最小限に抑えることができます。
進行の早いタイプ
一方で、高リスクの前立腺がんや進行の速いタイプのがんは、早期に治療を行わないと周囲の組織や他の臓器に転移するリスクが高くなります。この場合、放置することは適切ではなく、積極的な治療が推奨されます。
リスクの評価
前立腺がんのリスク評価には、グリーソンスコア、PSAレベル、がんのステージ(TNM分類)などが用いられます。これらの評価に基づいて、医師は個々の患者に最適な治療方針を提案します。
「前立腺がんが進展しない」というのは、一部の低リスク患者には当てはまるかもしれませんが、すべての前立腺がん患者に適用されるわけではありません。
まとめ
自分のリスクレベルやがんの特性をもっと勉強し、主治医とよく相談して、適切な治療方針を決定することが今後の課題である。