将棋とAI──時代に取り残されないために
前回、将棋講師として活動していたことに少し触れましたが、今回はその続編になります。サイタで将棋レッスンを行っていた頃、ただ教えるだけではなく、自分自身の知識向上にも努めていました。そのひとつが、将棋ソフトとAIの世界を学ぶことでした。
当時、自分が書いていたブログでは、以下のようなテーマを頻繁に取り上げていました:
- 将棋の歴史
- 人工知能の歴史
- 特化型AI
- ボナンザの学習方法
- アルファゼロの学習方法とその実績
- 将棋界の未来
AIや将棋ソフトの動向に関心を持ち、学んでいかなければ「時代に取り残されてしまう」という危機感があったのだと思います。この時期の経験は、今も私の知識や感性の土台となっており、将棋ソフトは今では私にとって“良き友”であり“先生”のような存在です。


体験レッスン日記──7歳の教え子との出会い
サイタでのレッスンを通じて、私は日々の指導を日記形式で記録していました。その一部をここに紹介します。
【体験レッスン記録】
今回の体験レッスンの生徒さんは、小学1年生・7歳の男の子でした。将棋を始めたばかりで、駒の動かし方が少し分かるという程度のレベル。普段はお父さんに教えてもらっているとのことでした。
生徒さんは自分の将棋盤と駒を持参しており、使わせていただいたのですが、それがまた珍しいものでした。くもん製の初心者用将棋セットで、各駒に動きの方向が矢印で描かれていて、非常に分かりやすく感心させられました。これなら実戦でも戸惑うことなく駒を扱えそうです。
まずは基本的なルールからスタート。
「飛車や角、香車は相手の駒を飛び越せない」
「敵陣の三段目に到達すると、成って金と同じ、あるいはそれ以上の力を持つ“龍”や“馬”になる」
といった内容を丁寧に伝えました。
その後は、私のiPadを使って初心者向けアプリ「ねこ将棋」での学習に移行しました。ここでは禁じ手である「二歩」や「打ち歩詰め」など、やや難しいルールも学んでもらいました。
最後は、実戦形式でのレッスン。飛車・角・銀・桂・香を落とした“八枚落ち”の対局を行いました。結果は生徒さんの完敗でしたが、勝負にこだわる必要はまったくありません。何度か経験を重ねれば、確実に上達していくであろう賢さと意欲を感じました。
特に印象的だったのは、彼が実戦をとても楽しんでいたこと。小学生ということもあり集中が長続きしない面もありますが、「楽しい」と感じてもらえたことこそが、最大の成果だと感じました。
ブログは「自分自身の教科書」になる
この日記は、受講生やその保護者の方にも共有していました。将棋の上達への励みになればと、毎回真剣に記録していたものです。ですが今後は、こうした日記を「自分に向けたブログ日記」として再出発させていきたいと考えています。
自分の歩みを記録することで、将棋力の向上とともに、自分という人間の成長も確認できるような──そんな意味のあるブログを、これからも書き続けていきたいと思っています。