70歳挑戦の先にある未来 ― 将棋で輝き続けるために

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ブログに込めた思いと挑戦の原点

私のブログタイトルは 病魔を超えて将棋で輝く、サブタイトルは 69歳挑戦の先にある未来 です。
この言葉に込めた意味はただひとつ。
70歳を迎えた今でも、将棋の舞台で輝けるのか。
その問いに、私は 自らの人生を賭けて挑んでいます。

年齢を重ねれば脳は劣化するのか。
それとも、鍛錬次第で維持できるのか。
私はその問いを 自分自身の盤上の実績 で示していきたい。
そこでまずは、現状把握として プロ棋士の年齢層 を調べてみました。

年齢と脳の関係 ― 劣化か、それとも進化か

一般的には「年齢とともに脳は衰える」と言われます。
しかし一方で、 経験や集中力の向上によって、思考力を維持できる可能性 もあると考えられます。
つまり、 鍛錬を重ねれば脳は進化できるということです。
この点を確かめるために、 私は自らの実戦を通してその仮説を検証していこうと思いました。
そして次に、 現役プロ棋士の年齢構成を見てみることにしました。


現役A級順位戦出場棋士の年齢分布

第84期(2025年度)のA級順位戦に出場する棋士10名を整理すると、以下の通りです。

永瀬拓矢九段:33歳
佐藤天彦九段:37歳
渡辺明九段:41歳
佐々木勇気八段:31歳
増田康宏八段:27歳
豊島将之九段:35歳
中村太地八段:37歳
千田翔太八段:31歳
近藤誠也八段:29歳
糸谷哲郎八段:37歳

A級棋士10名の平均年齢は 33.8歳 でした。
このデータから分かるように、将棋界の中心は30代前半 です。
したがって、 20代後半から30代前半が全盛期とされ、40代以降にA級を維持するのは極めて難しい 現実があります。
一方で、 年齢を重ねてもなお第一線に立ち続けた棋士も存在します。
その代表が、大山康晴十五世名人 です。

永世名人たちが辿った道

次に、 歴史を彩った永世名人たちの経歴を見てみましょう。
彼らもまた、年齢の壁を越えることはできませんでした。

中原誠 十六世名人 ― 52歳でA級から陥落。
谷川浩司 十七世名人 ― 51歳で降級。
森内俊之 十八世名人 ― 44歳で降級。
羽生善治 十九世名人 ― 51歳でB級1組へ降級。

このように、 どの棋士も例外なく 50代前半でA級を去っています。
つまり、 長期にわたってトップを維持することの難しさを、彼らの歩みが物語っているのです。


年齢の壁はタイトル戦にも存在する

さらに、 この傾向は名人戦だけでなく、他の主要タイトル戦にも表れています。

名人戦:大山康晴(49歳で陥落)
棋聖戦:米長邦雄(49歳で奪取)
王将戦:大山康晴(55歳で防衛)
王位戦:中原誠(47歳で奪取)
竜王戦:羽生善治(48歳で挑戦)

結果として、 50代でタイトルを保持することは極めて稀です。
言い換えれば、 「年齢の壁」は将棋界における厳然たる現実なのです。
しかしながら、 その常識を打ち破った棋士がいました。
それが、大山康晴十五世名人 です。


大山康晴十五世名人 ― 不死鳥の生涯

年齢にも病にも屈せず、最後まで盤上に立ち続けた唯一の棋士。
それが大山康晴十五世名人です。

  1. A級在位44期という異次元の記録
     大山はA級に44期連続で在籍しました。
     次点の谷川浩司(32期)を大きく引き離す、驚異的な数字 です。
     A級は毎年2人が降級する過酷な舞台。
     つまり、 一年の不調が命取りになる中で、40年以上も立ち続けたのです。
  2. 名人位18期と50回連続タイトル戦出場
     29歳で初の名人を奪取して以降、18期在位。
     その結果、 勝率以上に、長期にわたりトップを維持した 精神力と集中力 が光ります。
  3. 病と闘いながら現役を貫く
     晩年はがんの再発に苦しみながらも、引退を選びませんでした。
     結果的に、 現役A級棋士のまま逝去。
     まさに「不死鳥」と呼ぶにふさわしい生涯 でした。
  4. 引退せず、死によって幕を閉じた生涯
     多くの棋士が自ら引退を選ぶ中で、大山は最後まで戦い続けました。
     その姿勢こそが、 「将棋を指すことこそが生きること」という信念を体現しています。
  5. 年齢の壁を打ち破った象徴
     中原・谷川・森内・羽生がいずれも30期前後でA級を去る中、44期在位 はまさに異次元。
     言い換えれば、 「老いてなお第一線」という理念を自らの生き方で示した棋士でした。

大山康晴十五世名人 ― 不死鳥の生涯と私の挑戦 – の詳細はこちら

自らの挑戦 ― データが示す現実を超えて

将棋界の現実は冷酷です。どんな天才も年齢には逆らえません。
しかし、 大山康晴十五世名人はその常識を覆しました。

私もまた、これまでに 四度の大病 を経験しました。
心臓、胃、涙管、前立腺――どれも命に関わるものでした。
それでも、 私は再び盤上に立つことができています。

病に打ち勝つたびに、 新しい道が開けました。
そして今は、「衰えない脳を証明する」ことが私の使命 です。
再び病魔が現れるとしても、 私は歩みを止めません。
挑戦こそが、生きることの証だからです。

挑戦の彼方に

遠い彼方、未知なる景色。
一歩ずつ、足を進める。
その一瞬一瞬が、永遠に続く旅のように。
未知の景色を探し求める。
その景色を、永遠に見られないかもしれない。
触れることさえ許されないかもしれない。
それでも、心は問いかける。
果てなき夢の向こうに、どんな景色が広がっているのだろうか。

まとめ

この道の先に何が待っているのかは分かりません。
しかし、 挑戦を続けることでしか見えない未来がある。
だからこそ、 私は歩みを止めず、前を向いて進み続けます。

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