入院から退院までの流れ
前立腺がんの手術を無事に終え、9月14日に退院の日を迎えました。振り返れば、9月4日に中部国際医療センターへ入院し、翌日には前立腺全摘手術を受けるという慌ただしい幕開けでした。
幸いなことに、術後の経過は極めて順調で、大きな合併症に見舞われることもありません。結果として、比較的スムーズな入院生活を送ることができたと感じています。そこで今回は、この体験をもとに手術から退院までの流れを記録として残すことにしました。併せて、現代の主流であるロボット支援手術(ダヴィンチ)についても自身の視点で振り返ります。
手術当日のスケジュール:準備から終了まで
万全を期した術前準備
当日の朝は、静かな緊張感の中で始まりました。
- 06:00 起床し、まずは体温と血圧を測定。
- その後、術前の水分補給としてアルジネードウォーターを2本服用しました。
- 07:20 予定通り浣腸を実施。
- 続いて07:40には、血栓予防のための弾性ストッキングを着用します。
- 同時に点滴も再開され、着々と準備が整っていきました。
- 09:00 いよいよ手術室へ移動し、背中から痛み止めの注入を受けます。
手術の実施と終了
そして09:30、手術が開始されました。約4時間後の13:30に執刀は無事終了し、そのまま集中治療室(ICU)へ移動となります。目覚めたときには、酸素マスクに加え、腹水除去チューブ、2本の点滴、そして尿道カテーテルが装着された状態でした。
ロボット支援手術(ダヴィンチ)の概要
最先端の仕組みと低侵襲性
今回私が受けたのは、ロボット支援手術(ダヴィンチ)による全摘手術です。これは現在、前立腺がん治療において最も一般的な選択肢となっています。
このシステムの特徴は、医師が患者に直接触れて操作するのではない点にあります。執刀医は離れた場所にある操作コンソールに座り、そこから高精度のロボットアームを制御するのです。腹部に数か所の小さな穴を開け、そこから高性能カメラとアームを挿入する仕組みのため、身体への負担が極めて少ない「低侵襲手術」として高く評価されています。
前立腺がん手術に適している理由
なぜこの手法が選ばれるのか、それには明確な理由があります。まず、ロボットアームは人間の手首を遥かに超える可動域を持っており、なおかつ医師の手の震えを自動で補正する機能を備えています。
前立腺の周囲は、排尿や性機能に関わる重要な神経が密集する繊細なエリアです。したがって、高倍率の3D立体映像を見ながら行う精密な操作は、がんの根治と機能温存を両立させるために不可欠な要素となっています。
ロボット支援手術の利点と留意点
この手術方式には、患者にとって以下のような多くのメリットがあります。
- 切開が最小限で済むため、出血量が抑えられる
- 術後の痛みが従来の開腹手術に比べて軽い
- 回復が早く、早期の退院が期待できる
- 尿漏れなどの術後合併症リスクを低減できる
こうした背景から、現在国内で行われる前立腺がん手術の約9割がロボット支援によるものだと言われています。ただし、忘れてはならないのは、ロボットはあくまで「支援装置」であるという点です。最終的な判断を下し、アームを動かすのは執刀医本人。つまり、医師の技量や経験が重要であることに変わりはありません。
手術前の心構え:不安との向き合い方
私には以前、胃がんの全摘手術を乗り越えた経験があります。そのおかげで、全身麻酔そのものに対する恐怖心はそれほど強くありませんでした。
一方で、過去の手術跡による影響や、心臓への負担については多少の気がかりがありました。それでも、多くの症例がロボット支援で成功しているという客観的な事実が、大きな精神的支えになったのは確かです。最終的には、担当医と医療チームを全面的に信頼して身を委ねることが、何より大切だと実感しました。
手術後の経過と入院生活
術後の痛みと回復のプロセス
手術自体は計画通りに完了しました。しかし、当日の夜ばかりは痛みが激しく、ほとんど眠りにつくことができませんでした。
それでも、時間の経過とともに痛みは着実に和らいでいきます。3日目を過ぎる頃には、痛みはほぼ気にならないレベルまで回復しました。
退院までの日々
最終的な入院期間は11日間となりました。経過は終始安定しており、院内でのリハビリを一段階ずつ進めながら、無事に退院の日を迎えることができました。現在は自宅で無理をせず、体力の完全回復を最優先に過ごしています。


振り返って感じたこと
今回の体験を通じて、ロボット支援手術の目覚ましい進歩と、日本の医療技術の高さに改めて感銘を受けました。また、技術面だけでなく、献身的に支えてくださった看護師やスタッフの皆さんの存在も忘れることはできません。
手厚いサポートのおかげで、最後まで安心して治療に専念することができました。この私の体験記が、これから前立腺がん手術を控えている方々の不安を少しでも和らげる一助となれば幸いです。
ロボット支援手術(ダヴィンチ)で前立腺全摘【準備・当日・術後の記録】ーの詳細はこちら

