将棋レベルアップの私的持論
将棋の上達法については、人それぞれの考えがあると思います。私にも、自分なりの持論があります。
現代は、ネット対局でいつでも好きな時間に、全国の知らない相手と将棋が指せる時代です。これは、40数年前の自分が将棋に夢中だった頃から考えると、夢のような環境です。当時は、対戦相手を探すには将棋道場へ行き、そこで相手を見つけて対局するしか方法はありませんでした。その意味で、今の若い人たちは将棋を指す環境において、非常に恵まれていると思います。
しかし、ネット対局を数多くこなせば、それだけで強くなれるかというと、私はそうは思いません。確かに上達はするでしょうが、それが最短の上達法であるとは限らないと感じています。
上達の最短ルートとは
私の持論はこうです。
- 自分より格下の相手からは得るものは何もない
- 自分より少し上位の相手と戦うのが最も効率が良い
もちろん、どんなに強い相手でも学ぶことはありますが、あまりにも相手が強すぎると、自信喪失するだけで終わってしまう恐れがあります。上達のモチベーション維持には、その点が重要です。
ネット対局より将棋ソフト
こうした理由で、私はネット対局を上達法の中心には置かず、将棋ソフト水匠5との対局をメインにしてきました。
ただ、平手ではソフトに勝つのは不可能に近いので、最初は飛車落ちで対局を始めました。その際のルールは、
- 自分:持ち時間無制限、何回「待った」しても良い
- ソフト:初手から5秒の秒読み
という条件です。
しかしこのハンデを付けても、最初はなかなか勝てませんでした。勝つために編み出した極意は、こうです。
- 途中まで進めて優勢な局面を作る
- そこから「待った」を無限に繰り返し、更に優勢を広げる
- 最後には大差で勝つ
こう書くと単純に聞こえるかもしれませんが、最初に優勢を作るまでが大変で、さらにそこから詰みまで持っていくには相当の思考と工夫が必要です。
飛車落ちから二枚落ちへ
飛車落ちで勝つのが難しかったため、ある日試しに二枚落ちで対局してみました。 四段の自分にとっては楽勝だろうと思っていたのですが、意外にも勝つのは容易ではありませんでした。
それ以来、二枚落ちをメインに将棋ソフトと対局することに方針転換しました。
結果として、
- 待ったをすれば全戦全勝は可能
- しかし待ったなしでは負けることもある
この負け将棋から学ぶことは非常に多く、差し手に感心させられることばかりです。数多く指せば指すほど、確実に上達できると確信しています。
実際の実力向上
この鍛錬の成果を確認するために、最近ネット対局アプリ「将棋倶楽部24」で腕試しをしました。設定は、
- 持ち時間15分
- 持ち時間切れ後は1手60秒の秒読み
今までの最高到達点は約1年前の2013点でしたが、昨日の対局で自己最高の2107点に到達しました。
これは、将棋倶楽部24での四段昇段を意味します。1900点から2099点までが三段で、2100点以上が四段です。将棋倶楽部24の四段は相当レベルが高く、これまでのトレーニングが実を結んだ証拠だと感じています。
この結果により、明後日に控えた第三期飛騨名人戦三番勝負にも自信を持って臨めそうです。
今後の予定としては、二枚落ちを出来る限り短時間で、待ったなしで勝ち切る事。そして、その次には再び飛車落ちに戻し、互角以上の戦いができる様になりたい。